介護の将来的な対策が進んでいる現状について

高齢化が進み、介護の必要性が高まることは昔から話題に挙がっていました。少子高齢化の状況は刻々と悪化していくことが予想されていたにもかかわらず、実態として遠い将来を見て課題を洗い出し、長期的な視野で対策を講じることはできていませんでした。

介護の必要性が説かれるようになってから近年に至るまで、介護業界では将来対策をするよりも目の前の課題解決に囚われるケースが多くなっていたのです。実態としても目の前の課題が多すぎて長期的な取り組みをするのが難しい現場が大半を占めています。しかし、2025年問題や2040年問題が取り上げられるようになって、ようやく視野が将来に向いてきていると言えるでしょう。

日本で高齢化対策の必要性が説かれながらも、将来の課題への対策が進まなかったのには日本の社会背景の影響もあると考えられます。その中でも「親の介護は子がやるべき」という考え方が文化として浸透していたことは大きいでしょう。それもあり、以前までは介護施設を利用するのが一般的ではありませんでした。自宅介護が中心になっていれば、当然介護業界が充実しても利用が促進されません。そのため、まずは個人の意識改革から進めなければならない状況があったのです。

近年では、男女問わず働く在り方となり、介護サービスを活用する流れができてきています。それを受けてようやく介護業界の改革を進められるようになり、基盤が整ってきた段階にあります。これまでは介護サービスの利用者が少なく、自宅介護の状況が見えなかったこともあり、遠い将来を見据えた対策を講じるまでには至っていませんでした。しかし、ようやく先々まで目を向けて広い視野で課題解決に挑める状況になったのです。