日本は世界の中でも特に高齢化が進んでいる国です。実際、後期高齢者と呼ばれる75歳以上の人口が増加の一途をたどっており、2040年には全国民に占める後期高齢者の割合が35パーセントを超えることになると推定されています。
2025年時点ではその比率はまだ30パーセント程度に留まるとされているため、そこからわずか15年ほどで5パーセントも後期高齢者の割合が増加することになることが見込まれています。では、この2040年問題は具体的に介護の現場においてどのような課題を生じさせるのでしょうか。
まず言えるのは、介護サービスを必要とする被介護者が増加し続けるのに対して、サービスの担い手である介護士の供給がどんどん先細っていくという点です。日本では高齢化と併せて少子化が進んでおり、介護をする側である若年層の人口がどんどん減少しています。そのため、介護の現場において需要と供給のミスマッチが生じています。それがさらに高齢化が進んだ2040年になると、より深刻な状況になることが予想されます。
被介護者の人数に対し、介護士が圧倒的に足りない状況が生じれば、結果として介護サービスを利用できなくなる高齢者が多くなることが懸念されます。この問題を解決する手立てとして考えられているのが、介護ロボットの導入です。介護士の代わりに見守るロボットや体力を使う介助をサポートするスーツ型ロボットなど、さまざまなものが開発されており、期待が高まっています。加えて、ITを活用した業務効率化のシステムも注目を集めています。